楽音会は「日本の音楽」全般の普及を目的とし、現在その第一弾として、箏曲裾野人口拡大のための様々な活動を行っています。

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楽音会の基本理念

楽音会では「学ぶ」「楽しむ」「伝える」「支える」「広げる」の五つを基本理念とし、会員の皆様とともに「日本の音楽」全般の普及を目指しております。

美音会の基本理念と活動趣旨

 リレーエッセイ 「今、思うこと」

 日本の音、音楽を愛し振興を目指す皆様向けに各界の先生方より語っていただきます。
 楽音会理事長の黒河内茂からスタートしたこのリレーエッセイをお楽しみ下さい。

 
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第3回
 楽音会 副理事長(邦楽ジャーナル編集長) 田中隆文 2010年9月1日発行

〜宇宙で箏!〜

日本時間4月12日夜、宇宙飛行士・山崎直子さんが国際宇宙ステーションの日本
実験棟「きぼう」で箏を弾きました。テレビでご覧になったかたも多いのではないでしょうか。カメラは横から遠目で映していたので音だけ聞こえて楽器そのものは見えませんでしたね。実はこれ、世界最小の、このために造られた箏なんです。
 先日、箏の関係者から電話取材を受けました。「これからお箏はもっと進化するんでしょうか?」。えっ? どうして進化という言葉が登場するのか、最初分かりませんでした。でも、ピンときました。「宇宙=最先端技術=進化」。私はこう答えました。「宇宙箏が小さいのは進化ではなく、ある事情があったからです」

宇宙箏・上から 宇宙箏・横から
写真(左):宇宙箏・上から
写真(右):宇宙箏・横から

私が宇宙用の箏の開発を山崎さんから依頼されたのは、昨年の1月になります。たまたまヒューストンで行った私のプロデュースによる公演(国際交流基金派遣)を山崎さんはご家族で聴きにきてくれました。その折に話が出て、私が帰国してからはメールのやりとりで徐々に宇宙箏の形を決めていったのです。最終的に長さは35cmと決まりました。
「箏」はあくまでプライベートであって、ミッションではありません。スペースシャトルにプライベート用品を持ち込めるのは2つ。それを入れる引き出しの幅が40cmなのです。箏の長さは必然的に35cmになったわけです。

箏と宇宙箏 野口さんとテレビで
写真(左):箏と宇宙箏
写真(右):野口さんとテレビ

普通の箏の1/5のサイズ。その縮尺だと箏の幅は5cmになってしまい、とても指で弾ける“楽器”になりません。せめて絃間を1cmに、と考え、13cmの幅を持たせるよう提案しました。こうして、箏の音穴から生まれたあかちゃんのような可愛らしい宇宙箏の原形が出来ました。
 磯の高さは、普通の箏の比率からすると高いです。これは、製作を依頼した福山の小川楽器社長・小川賢三さんの考えです。この小さい箏でも出来るだけの共鳴胴を持たせたい。小川さんは甲の丸みと厚さをどれくらいにするか、そこに一番苦労したと言っています。磯の高さだけでなく、絃長も出来るだけ確保すべく、十七絃のように口前にネジを付けて調絃する方式を採りました。
 この箏、大きさだけに特徴があるのではありません。小さくても本体には会津桐の一番良いところを、龍角には紅木をと、最高の素材を使っています。裏から2つの音穴を覗くと、ちゃんと綾杉彫りが施されています。猫足を平らにしたのは、マジックテープがつけられるようにするためです。固定しないと箏は宇宙空間で浮いてしまいます。柱に小さな孔を開けたのは、そこに糸を通してつないでおけば、柱がはずれても飛び散らないようにという工夫です。山崎さんはそれをアメリカのスペースシャトル・ディスカバリー号に積んで持って行きました。

山崎さんと私 山崎さんサイン入り写真
写真(左):山崎さんと私
写真(右):山崎さんのサイン入り写真

山崎さんは箏を小学校1年生から始めたといいます。そして「宇宙でお箏を弾きたい」という夢を数十年後にかなえたのです。宇宙ステーションは、地球をおよそ400kmの高度で90分で1周します。 そこで弾いた『さくらさくら』は世界を駆け巡りました。いま、宇宙箏はさまざまなところで展示されています。そして多くの人がそれを写真におさめています。これが邦楽の普及につながるのなら、それこそ山崎さんの望むところでしょう。日本の文化を「きぼうの未来へ!」


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